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吾子の成長記(ako004.html)

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2000/10/22(日) →題名目次
赤いおでこがもう治った 生後380日(1歳と14日)

 昨夜帰宅した時、拓郎のおでこに5円玉大の赤い虫さされの跡があった。妻によれば、ダニらしい。ちょうど12時頃授乳。相変わらず寝たまま食事できてうらやましいやつ。ところで、おでこの赤い跡
が完全に消えていた。完全に、だよ。みずみずしい皮膚だなあ。

 今朝は予定通り散歩に出かける。
 朝7時頃から起きて惰眠をむさぼる私と妻とを苦しめる。健康な私が引きとって遊んでやることに。子が、昨夜から枕元にあった錫のマグ(前の職場の同僚たちの結婚記念品)をぶん投げる(ずっしり重いのだ)ので、「こら」と叱ると、例の、なんとも言えない泣き顔になりかけて、ぴたり、と止む。懲りずに投げようとする、また叱る。結局泣くまで叱るはめになってしまった。
 散歩中は例によって大人しかった。帰宅して風呂場の窓からずっと上を眺めている。隣のマンションの屋上に、イヌとカラスが数羽いるのだ。じっと静かに眺めている。でも、子が見えない位置に私が移動すると、子もついてきた。ちゃんと意識してくれているのだ。今は祭囃子の音が聞こえるのに関心を引かれているようだ。・・・・でも、拓郎、変な顔。
 もう10時10分。「刑事ナッシュ」は10時半からだ。そろそろ準備に取りかからねば。

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2000/10/21(土) →題名目次
日曜日の前の日 生後379日(1歳と13日)

 全快したはずなのに体調がすぐれない。咳や鼻声は病後の常として、今日は妙に疲れやすい。2回お休みした寿司屋立ち寄りをまた休もうかしら。そこに、奥さんから「子の髪を切り損なって吉田拓郎になった」とのメール。見たい! 高田馬場駅に着いて電話すると、子はまだ起きている様子。寿司屋ではおみやげを用意してもらって帰宅。
 いやあ、久しぶりでも覚醒していると父親を認識してくれるのだな。にこ、と拓郎の顔で笑う。見慣れない新鮮な顔だが間違いなく吾子だ。広げた寿司に手を伸ばそうと虎視眈々と狙う魂胆が見え見えだ。
 うん、うん、と立ったまま力を籠めている。もはやわかる、大便をしているのだ。まったくもぉひとの食事中に。やがてそのまま寝てしまった。

 明日は日曜。TV東京で「刑事ナッシュ」が再開されはじめた。春の番組改編で滅びたが、私は昔からアチラの探偵物が大好きなのだ。。先週気付いた奥さんが録画してくれていた。流浪の番組で、週によって開始時間がしばしば異なるし急に飛ばされたりする。普通なら10時半からだ。
 明日は日曜。明日の予定は、
  起きると同時に吾子と早朝散歩(明日も晴れの模様)
  10時半からTV、あるいは録画して、外出
  午後は昼寝を交えて、子と遊びまくりィィィィィ!
 ・・・・休日らしい休日になりますように!(そのためには二日酔いにならぬように寝ること)

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2000/10/21(土) →題名目次
忘れられたお父さん 生後379日(1歳と13日)

 目覚ましを消した夢を見て安心して起きると、やばい、出勤時刻ぎりぎりだ。準備中にトイレに入った妻を無理矢理出させて行ってこようとすると、子が突っ立っていた。へへ、いいやちょいとくらい遅れたって。必ずしも始業一時間前に着いている必要はないんだし。
 完全に寝惚けまなこ。抱き締めても丸太のよう。奥さんが笑いかけると微笑み返す。私が顔を正面に持ってくると、首を捻ってTVを見ようとする。はは、とうとう忘れられたかお父さん。この日記を書き始めた当初みたいだ。明日、しっかりと思い出させてやろう。

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2000/10/20(金) →題名目次
それはもうかわいく眠っています 生後378日(1歳と12日)

 というわけで、今夜も、いや終日起きている子に会えずじまい。それはもう天使のようなかわいらしさで眠っています。帰宅途中は、まだ起きてるかな、嬉しそうな顔で父を迎えてくれるかな、などと含み笑いを漏らしながら帰路につくのですが、期待はずれが多いですわ。
 頼みの情報源、奥さんも相変わらずへばっているので、さしたる話も聞けない。今日も奥さんのお化粧の真似をしていたそうで、やはり意図的なのでしょう。
 あと、ラインマーカーを隠す、緑色のフィルムを目の前にかざして、世界が緑色に見えるのを楽しんでいたそうな。おかげでフィルムはぐちゃぐちゃだが。飽きずにそれで楽しめる無邪気さに感動。
 明日は土曜日。明日も会えないにしても、明後日はたっぷり遊べるでしょう。

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2000/10/20(金) →題名目次
ひっそり出勤 生後378日(1歳と12日)

 昨夜はあれからさすがにずっと寝ていた。寝顔もかわいいが起きてしっかりしている顔の方が好きかも。いつもどおり、時折寝ながら泣き出すが、その真っ赤な顔は、「なんともいえないくらい」(ばあちゃん談)の破壊的な顔になる。まるで別人。
 子は昨日の疲れから、妻は風邪の悪化のせいだろうか、起きられないようす。ひっそりと出勤。妻に声をかけたり子に手で触れたい気持ちを押し殺して、静かに。子は、うつぶせにカエルのような格好で寝ていた。

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2000/10/19(木) →題名目次
子の成長報告--ストローが使えるようになった 生後377日(1歳と11日)

 歯磨きは結局今日は失敗。すごく嫌がった。
 しかし、ストローでジュースが飲めるようになった。先日、私がトライして失敗したのだが、母の力は偉大だ。ジュースは飲めたが、ミルクは無理だったようだ。
 バイバイ、をうちでしてみせてくれた。こっちが手を振ると反応してくれる。しかし、あの手の動きは、物を持ったまま、たとえば今日の歯ブラシとか、持ったままで振っている動きと同じだ。うちの子はそれをよくやるのだが、それの何も持たずに手を振る版にすぎないかもしれない。それにしても嬉しそうに振るもんだ。
 風呂で水面をぱちゃぱちゃするのを奥さんが教えたのだが、今日は自分からそれをやっていたらしい。お風呂楽しそうだな。実は、春以来とんと一緒に入っていない。そういやあのころは表情乏しかったな。いまならたいそう楽しいだろう。
 今日は、朝寝をした(私はその時間熟睡していたからよく知らない)せいか、昼寝も夕寝もしなかった。遅い時間まで起きて、先ほどやっと寝たところ。今日も楽しかったかなあ。それにしても奥さんの風邪は治らない。風邪ひいている時に入浴しちゃいけないよ。

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2000/10/19(木) →題名目次
寝過ぎちゃった 生後377日(1歳と11日)

 昨日はあれから手酌でビール大瓶4本、4時近くまで飲んでたもので、きちんと起きるのが遅くなってしまった。覚醒したのは昼を回ってから。
 一方で、子は7時半には行動開始。体調不善の奥さんを悩ませているらしい怒号の中、無意識裡に子を私の手元に保護し、かまっていた(ような気がする。なんせ半分寝ていたので)。
 奥さんによれば、昨日、奥さんが化粧水を自分の顔に塗ってパンパン頬を叩いていると、子も真似をしたという。それに触発され、「大きな栗の〜」の振り付けを教えてやろう、と思って模範演技をやってみせると、「くふふふ」笑いながら、真似ようとは思っているのだろう、しかし、手をパチパチ叩くだけ。ま、意欲を買う、というところで。
 今日から歯磨きを試みようと、乳児歯ブラシを買ってきた。大きさが手になじむらしく、現在それを握って放さない。でも、いざ磨いてやろうとすると、きっと嫌がるんだろうなあ。


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2000/10/18(水) →題名目次
禁酒同盟 生後376日(1歳と10日)

 明日は休みだ、仕事もない、早起きなんてしなくてもいい、ってわけで職場の連中と「イタリア料理店で食事」をして帰ったらもう11時半だったので言うまでもなく子は寝ていた。なんだか礼拝の姿勢、つまり、膝立ちしたまま尻を高く上げてうつぶしている。明日は遊んであげる(もらう)ぞ。
 さて、「イタリア料理店での食事」だが、まさか本当に「食事」でもあるまいと思っていたが、私を含む5人の会食者のうち、酒を飲めない飲まない者が4名、酒を飲める飲みたい人がわずか1名、すなわち私一人だけが左党であった。まあ、遠慮しいしい、ワインの一番安いハーフボトル(すげぇまじぃ)をちびちび手酌で飲まさせていただいたが、今日になって初めて、泥酔愚者阿鼻叫喚の宴会に出席せざるをえない飲めない人の気持ちが少しは理解できた気がする。もっとも、コーヒーの一気飲みを強要されたわけではないからずっと気楽なもんだが。
 支払いのほとんどを、今日の尊者A氏が持って下さった。多謝。近所のK氏とバスで帰宅。もう遅いし、寿司屋に寄る予定は見送った。

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2000/10/18(水) →題名目次
未明咆哮 生後376日(1歳と10日)

 「ぐわぁ〜!」
 という大咆哮で眠りを妨げられる。どうやら妻がご不浄に立ったのを追って、子が泣いているらしい。手元に呼び寄せると、何事もなかったように私の横にちょこんと座り、枕元に置いてあったペットボトルをいじくっている。
 やがて妻が戻ってきて子を連れて行く。
 午前4時。起床まで後1時間ある。寝直しだ。妻子もすぐに眠りに落ちた模様。
 午前5時。風邪がますます悪化しつつある妻はそのまま寝かせておいて、出勤準備完了。横たわっている妻が出かける私を認識したようだ。寝たままの子の額に軽く触って出ようとすると、「あぃ〜ん」と泣き始めた。子を起こしてしまってはまずい。逃げるように脱出。
 時すでに遅し。開かないようにしたふすまの隙間から、片目で私を窺いながら「あぃ〜ん」と泣いている。まさしく見捨てて出勤。あのまま寝なかったりすると妻が大変だ。また寝てくれよ!

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2000/10/17(火) →題名目次
何もない夜 生後375日(1歳と9日)

 今日は比較的帰宅が早いのだが、もはや子は寝ていた。今でも寝ている。
 奥さんも調子よくないので、今日はまさしく書くことがない。奥さんによれば、手をパチパチしてみせなくても、口で「パチパチは?」というと、してみせるんだそうだ。つまり、言葉がわかっているということ。
 これだけでは仕方ないので、ちょうどひと月前の今日(9-17)に書いたが、未掲載の文章を載せておく。

 小さなぬいぐるみを手にして、そのキャラクタの声帯模写(もちろん想像)をすると、たいていうれしそうによってくる。思わぬ方に逃亡しようと企てているときに有効な方法だが、うれしそうによってきてからがいけない。私から奪い取ったぬいぐるみを必ず床に投げつけるのだ。何度繰り返しても投げつけるのだ。(おかげで子の叔母から奪取したミッキーのぬいぐるみのパンツが脱げかけている)。
 それとわざと物を落とす。

 ・・・・上記の乱暴な傾向は、現在でも相違はない。

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2000/10/17(火) →題名目次
初添い寝異聞 生後375日(1歳と9日)

 そういうわけで初めての添い寝を遂げたわけだが、朝起きたときの配置ったらなかった。
 そもそも頻繁に逃走しようとしていた子のおしめを掴んで引き戻していたのだが、埒が明かず、野放しにするとどうなるか、と解き放ってみると、台所に通じる戸を開き、誰もいないのを確認してだろう、赤ゲットのある私の横に戻ってきた。私の腹に凭れかかったりしばらく寝位置を調整していたようだ。
 それで、朝。子は、布団の縦軸に対して垂直に、つまり真横になって大の字に寝ていた。布団幅の3分の2を占めていたおけげで、私は残り3分の1に餃子のように寝ていたのだ。うむ、うまくできている。奥さんが子と添い寝を始めた時、二人とも、輾転反側して圧し潰す心配をしていたのだが、本能でそれを避けるようだ。添い寝ベテランの奥さんなら子にスペースを奪われたりはすまいが、初心者の私は、はじきだされずにすんだだけでよしとしよう。・・・・でも、いいもんだね、子に添い寝するの。ちなみに、昼寝の添い寝なら何度か経験はあったけど、夜は格別だ。あー、むろん、朝も歌をうたってあげた。ちょっと寝ぼけ気味でかわいかった。

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2000/10/17(火) →題名目次
真・夜間徘徊&あはや遅刻? 生後375日(1歳と9日)

 私と子の体内時計は順調に機能している。なんの前触れもなく、ふすまが開いて、子が入ってきた。泣いていないので、母を起こして食事の準備をさせるまでもあるまい。起床予定は4時50分。やがて目覚ましも鳴るだろう。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 いつまで経っても目覚ましがならない。子が、私の床周りの雑物に手を出し始め、目覚まし時計が危機に瀕したので時間を確認すると、
  02:30
 ふたりとも体内時計がおかしくなっていたのだ。こうなったら寝かしつけるしかない。お気に入り赤ゲットを持ってきてやりおしめを替え、前門の狼、肛門の虎を封じたが、徘徊をとどめるのは難しい。逃げ出す子を何度も捕らえているうちに眠りに落ちたようだ。子に添い寝するのはそういえば始めてだ。
 ・・・・奥さんが、「たいへん、もう7時よ!」といって私を起こす。7時かあ、新幹線を使うだけに時間が限定される。時刻表を確かめねばならぬが、たぶんもう間に合わないだろう。初遅刻?
 そう思って開き直って、のんびり準備を始める。寝直したり遊んだりして時計をふと見ると
  09:35
 えっ! たいへんだ。遅刻どころか無断欠勤の時間だ! 何故確認の電話が来ない? 遅れ馳せながら今から出勤するか、電話して欠勤にするか・・・・。
 と、目覚ましが4時50分に鳴ったときは、死ぬ思いで起床した。
 遅刻は夢でした。よかったよかった。
 これは、同業者の見る、最悪の夢、ベスト1間違いなしの夢でしょう。
 昨日、同僚のNT氏から子の誕生日プレゼントをいただいた。フード付きトレーナーはとってもかわいい。NT氏はいつも私によくしてくれる。ありがとう。

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2000/10/16(月) →題名目次
冤罪・水虫疑惑 生後374日(1歳と8日)

 帰宅したら子が寝ているのはもはや言うまでもない(フン!)。
 子は元気だが、奥さんの風邪は悪化している。本当に申し訳ないことだ。それで、母子で病院に行ったのだが、ついでに、ずいぶん前から子の外股につきっぱなしのぶつぶつについて診察してもらったそうだ。発疹の一種らしい。でも、例の突発性のではないらしい。先生が、「ご主人、水虫ですか?」ですと。どうもその一種らしく、感染源が私だと疑われたわけだ。ふん、冤罪だ。機会あるごとに靴も靴下も脱いでしまう風通しの良い足を持つ私にしてその病ありとは冤罪であ〜る。結局、発疹の大きさから、水虫ではなさそう。本人、全然自覚症状もないようだし、軟膏をいただいたそうだ。
 子の食事は食卓椅子で行われるが、やんちゃ度の日々向上している我が子は、その上に立ったりのけぞったりで大変、らしい。「らしい」というのは、私が在宅の時も、子の気が散るというので観察する機会が少ないからだ。
 で、ついにというか起こるべくしてというか、のけぞった余り後頭部から落下したそうだ。むろん大泣きして妻に抱きついてきたそうだが、それもすぐ泣き止んで、にやっ、としたそうだ。うちの子の頭の固さは尋常ではなさそうだ。なにせ普段から、数少ない遊びのレパートリーとして、頭突きをかましてやるのだが、それも、全然痛そうではなく、ぶつける度に、にやっ、にやっとして、場合によってはきゃーきゃーうれしがるしまつだからな。こぶができたらしいが、今、寝た子の頭を探ったが、よくわからない。やはり快復力はずぬけている(擬似水虫はなぜ治らない?)。

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2000/10/16(月) →題名目次
楽しき日曜日もおわって 生後374日(1歳と8日)

 まあ思う存分遊びましたとも。
 手を叩くと真似るし追いかけっこをすると逃げてくし、なぜか私の股下をくぐるのが好きだし、くすぐると笑うし。
 そういえば、ちゃぶ台の上に載せるとこわがっていたが、今はこわがって泣いたりしない。何かあったらすかさずサポートしようとまちかまえる私に尻を向けたかと思うと、後ろ向きに足のほうから下りて(落ちて)きた。
 今朝も妻の起床とともに起きて泣き始めた。空腹のせいかと思ったが、私の近くに呼び寄せると泣き止んで、そのまま楽しそうにしていた。さみしかったのだね。しかし、歌を歌ってやろうとすると、体をのけぞらせて脱出。それでは行ってきます。

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2000/10/15(日) →題名目次
沼津よいとこ 生後373日(1歳と7日)

 東海道新幹線のこだま号に乗るのは3回目だろう。1度は、東海道線で落とした財布を受け取りに熱海に、2度目は、奥さんの姉さんの結婚式のために新富士に行ったとき。今度は沼津。どうやら沼津の人は、信号無視をしないし、信号のない道を渡ったりしないようだ。こんなので驚いていてはいかんな。また、顔見知りになると、こちらが認識してなくても向こうから丁寧にあいさつをしてくれる。なんかすごくいいところだ。
 早朝に沼津にいて、午後には自宅にいる、というのは変な気分だ。久しぶりに子と睦む時間がもてて嬉しい。日曜だけに、電車に乗っても街を歩いても必ず親子連れに出会う。見るたびに、ああ、早く帰って、起きている子に会いたい!と思ってしまった。
 本当に、子は、風邪は全快したもようだ。今度は、デスクトップパソコンでなく、ノートパソコン(ペンコンピュータ)を起動するのを覚えたらしい。そのパソコンは、ボタンが上面に10数個露出して並んでいるのだが、子は、迷わず Power スイッチを押す。小さな指でまっすぐに押すのだ。あ、PDA をノートパソコンの上にぶんなげやがった! こら!

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2000/10/15(日) →題名目次
休日出勤の朝5時 生後373日(1歳と7日)

 遠足や運動会など、イベントがある度に熱を出して周りを心配させ、当日になるとケロリと治ってしまうという子供らしい悪癖が再発したのか、いかにも治りかけぽい咳が出るのを除いて、おおむね体調はよろしい。
 妻子を起こさず密やかにでかけようとしてトイレから出ると、いつのまにやら奥さんがぬぼーと突っ立っていた。びっくり。思わず声を上げそうになった。
 寝ている子の額をさすってやる。昨夜も、うなりだしたので見に行くと、立ち上がって私に抱き付いてくれ、そのまままた寝てしまった。律義なやつ。と思っていると、うん、と気合とともに起き上がってしまった。眠そうな赤い顔がしだいに白っぽくなる。やべ、完璧に起こしてしまった。もう一度寝かそうとすると怒る。走り始めてしまった。おそるおそる奥さんを見ると、不機嫌だ。寝直し計画が破綻したせいだろう。奥さんはまだ体調がすぐれないので、もうしわけないことをしたと思う。でも、その反面、久しぶりに起きている子と接することができた僥倖を得た喜びに浸っている。寝顔もかわいいが、やっぱ、やんちゃでも動いているほうがかわいいぜ。(歌を歌ってやろうとしたら逃げられてしまったが。)

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2000/10/14(土) →題名目次
子の風邪は、治った? 生後372日(1歳と6日)

 子の風邪は治ったとか。それどころかやんちゃ度アップ。
 奥さんの移動式電話端末を洗濯機の排水に抛り込んで壊したり(341Sですよ!)、隙を見てデスクトップパソコンを起動したり。
 前者については、奥さんがお尻ペンペンをしたら、泣きながら走って逃げていって座り込んだかと思うといきなり泣き止んで何かをいじくるのに没頭したそうな。
 後者については、遠くから奥さんが「こら」というと例の「ふぇ〜ん」と泣き出したそうな。やっぱ、どうみてもこれに関しては疚しさを感じつつも、悪事の魅力に抗しきれないようだ。ふぅ。将来が心配である。
 明日も仕事なので、今日は週末の寿司&飲酒を断念している。さみしい土曜日だ。なんせ、こんなに早く帰ってきたのに、悪戯っ子はぐーすか寝てるんだもの。今日は起きた顔を一瞬たりとも目撃していないのだ。ああ、早く、あの、悪事を企んでいる時の、唇をとがらせたような顔を見てみたいものだ。
 明日も早起きなのだ。なんせ沼津に行くのだ。なんでも寿司が美味いとか聞くが、早朝到着昼出発なので、関係がない。とほほ。

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2000/10/14(土) →題名目次
ひとに移すと風邪は治る? 生後372日(1歳と6日)

 子は、午前3時半ころ(推定)ひと泣きしたようだ。
 通常どおり5時起床。風邪でへばっている妻子は、私がいつ出かけたかも気づいておるまい。不憫なことだ。
 私はというと、まだ完璧ではないが、昨日までとは明らかに異なるパワーが感じられる。先週もその後油断して再発したので、予断は許せないが、快方に向かっているのは間違いない。
 「ひとに移すと風邪は治る」と奥さんが昨夜言っていたが、本当かも。
 1.風邪の菌の活動期間と潜伏期間がほぼ似通っているので、たまたま治るころに周囲の人が発病する。
 2.コミュニティにおけるホメオスタシスが機能して、コミュニティ全体が危殆に瀕すると、誰かしらが回復する。
 3.病は気から、一家の大黒柱としての自覚が、精神的に風邪を治す。
 やっぱ、1.かな、と思うけど。

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2000/10/13(金) →題名目次
風邪を移してしまった 生後371日(1歳と5日)

 妻子が診察に行って両方とも風邪だと診断されてしまった。なんとも申し訳ないことをしてしまった。子に至っては、つい先日まで闘病していたのに、またもや苦しい思いをさせてしまって親として忸怩たる思いだ。
 病院で、看護婦さん達が手を振ったら、子が、手を振り返したそうだ。初「バイバイ」だ。また、ボウロを昨日までは囓って半分しか食わなかったのを、丸ごと口に抛り込むようになったという。本当に日々成長しているのだ。
 帰宅してしばらくして、うう、と言って起きたみたいだ。のどが渇いたのだろう。風邪のせいもあるのか、顔全体が腫れぼったくまるでおたふくかぜみたいだ。目も定まらない。頭をなでてやると、ベビーベッドの上ですっくと立ち上がり、ベッドの端から体を乗り出している私に抱きついてきた。やがて倒れ込んで、足をつっぱったり転げ回ったりじたばたしたが、また眠りに落ちた。やはり、帰宅した父を確かめたいと思っているのだろうか。だとすれば嬉しい限りだ。病原の父を許してね。

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2000/10/13(金) →題名目次
泣き顔で見送る 生後371日(1歳と5日)

 新企画のチームリーダーとして率いた部下10名のためのワークステーションやアプリなど一人頭500万円の初期投資をだめもとで役員に迫ったところ意外にも熱意にほだされて許可が下りそうになったところで、妻の、「ふんぬ!」という寝言で夢から覚まされた。
 子も、びっくりしてぐずりだす。
 午前5時。
 通常なら起床時間だが、昨朝と同じく一人時差出勤を決めているので寝直す。子も、奥さんがジュースをやったら二度寝したようだ。
 曇天のせいか6時過ぎても暗い。出かける瞬間、布団からはみだした子の位置を戻してやる。いつもながら、なんとも言えない確かな重み。子は目を開け、父を見て安心した顔をして、また閉じ、半眼となり、また開き、また閉じ、の繰り返し。このまままた寝てくれるか、と思って部屋を出ようとすると、がば、と起き上がり、はいはいの姿勢のままで泣き始めた。
 泣き声を背中に聞きながら出かける気持ち。もう、何日も子を抱いて歌を歌っていない(気がする)。病弱で子を育てる親のせつなさをひしと感じるのであった。

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2000/10/12(木) →題名目次
恐れていたことが・・・・ 生後370日(1歳と4日)

 今日はばあちゃんが来てくれた。きちんとばあちゃんの顔を覚えていて、笑顔で迎えたそうな。昼寝もせずに遊んでいたそうな。そのせいで、帰宅するとスースー寝息を立てて寝ていました。
 それはいいとして、夕方から鼻をぐずぐずさせて機嫌がよろしくなくなったそうな。もしや、恐れていたことが、私の風邪が移ったのではなかろうか? 奥さんももしかして風邪気味なのかもしれないらしい。家族で風邪をやりとりするだの、一家総出で風邪引きだの、家族持ちからたびたび訊かされていた悪夢が現実になろうとしているのかもしれない。
 元凶は私? どうか妻子共に健やかでいますように!

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2000/10/12(木) →題名目次
苦行を続ける 生後370日(1歳と4日)

 4時半ころ、子は目を覚まし、徘徊を始めた。療治のために、睡眠時間をきちっと確保して5時に起きる予定が崩れたので、出勤時間の見直しをした。この曜日は、始業2時間前に出勤するのが目標だが、1時間ずらすことにしたのだ。ミルクを用意する間、ふすまの戸口に泣きながら佇立している子を呼び寄せる。
 すぐに寝直したので、あまり子を構ってやれなかった。力も入らないし。
 出掛けるとき、子は、ふすまの隙間からじっと私を見ている。ひたすら見ている。と、「さよなら」と行った気がした(妻もそう聞いた)。もちろん聞きなしにすぎまい。我が家でその言葉が使われることはないのだから(奥さんがその言葉を忌避している)。

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2000/10/11(水) →題名目次
チャレンジャー 生後369日(1歳と3日)

 父の不在の間に、するするとデスクトップパソコンの所に寄って、ぷち、と電源を入れたそうだ。もう確信犯だね。妻が叱ると、ふえ〜んと泣いたそうだ。父がいなけりゃ平気、とでも思ったのだろうか。今になって思うに、あの泣き声は、なんで自由にさせてくれないのか、という抗議の号泣なのだろう。今日、一日、子の泣き顔を思い出して、気の毒なことをしたと思っていたのに。
 今朝は寝ていて、額に手を触れただけ。夜は、帰宅後、目を開き、起きあがり、私の顔を手で触り、安心したように横になってまた眠った。会えたことを喜んでくれるんだね。うれしいよ。私は、またも風邪がぶりかえしたようで、夕方には立っていられないか、と思うくらいだった。明日も5時起き。早めに寝ます。

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2000/10/11(水) →題名目次
言葉が空間を支配する 生後369日(1歳と3日)

 本復したとは言い難い私は子より先に就眠したが、その直前の話。
 はっと気づくと、またもやデスクトップパソコンに忍び寄り、いまにも手を伸ばしている真っ最中であった。「未遂」なので、やや押さえた声で「だめだよ」と言うと、意外や、びく!として手を引っ込めたかと思うと、ふえ〜ん、と泣き、直立してまた私の方にやってくる。
 さっきまで妻と話していたのとさほど変わりのない声だったと思うが、本人に疾しさがあったのだろうか、ここまで効果があるとは思わなかった。ほんの少しだけ大き目の声、ほんのわずかに方向が変わって自分に向けられた声、明らかに呼ばれた自分の名前、疾しさを秘めた意図的な行動、こういったものが相俟って起こった事件なのだろう。言葉が空間を支配する。言葉の重みを感じた一瞬であった。
 私の方にやってきた子を、抱き締めたのはいうまでもない。よく、止めてくれたね、と誉めながら。

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2000/10/10(火) →題名目次
子を叱る 生後368日(1歳と2日)

 私が寝ていると、プラスティックの笛を投げつけてくる、何度も。痛いのだこれが。それで、ぴしゃ、と頭を叩いて、「だめでしょ」と叱る。もちろん手加減するが私の手が少し痛いくらいだ(私の心の方が痛い)。しかし、新しい遊びと思ったか、ぐふ、と笑う。だめだこりゃ。
 デスクトップパソコンに忍び寄る。味をしめたか。「こら!」と叱りとばす。びっくりしたか、「ふえ〜ん」と泣き出す。しかし、すぐに泣き止み、再び手を延ばす。またも「こら!」と叱りとばすとまた「ふえ〜ん」と泣く。かわいそうに、と慰めると、妻が、これじゃ叱られたのを理解できない、という。もっともだ。
 懲りずにまたもデスクトップパソコンに手を延ばす。「こら!」と同時に頭をぴしゃり! もちろん泣く。今度は何かを理解したようで、そのまま私の方に抱きついてきた。思わず抱きしめる。きっとわかってくれただろう(?)。
 今度は、奥さんのパソコンのコードをぶんまわす。さっきより小さく「こら」と叱るだけで効果があった。よしよし。
 別件で奥さんに叱られて、泣きながら私にすがりついてきた。抱き留めるともはやけろりとしている。
 私が子を、叱ったのは今日が初めてだと思う。親である、ということは、きれいごとだけではすまされないのだ、と思うのだった。しかし、両親から交互に叱られて気の毒に、と思う。まあ、それだけやんちゃ坊なわけだが。これからは頭でなく、太股を叩こう。

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2000/10/10(火) →題名目次
人を見て法を説く 生後368日(1歳と2日)

 子の無法状態は続く。ついにデスクトップパソコンを起動させてしまった。これに味をしめたらやばい。ふと気付くとおしめがこんもり。起きたてのおしめは、これぞ記録的という重量および内容量を誇っていた。その後、水分の供給はなされていない。もしや。
 案の定、大、でした。もう慣れたものです。右外股にかなり広い範囲でかぶれのような水腫がぶつぶつとできている。そういえば妻が心配してたっけ。
 その後、私のご飯が炊けたようなので(わーい、松茸ご飯)、立ち喰い(子の攻撃をかわすため)していると、妻が起きてきた。いつもなら子の攻撃を一手に引き受けて目覚めるのだが、今日は私が標的となっていた。その妻の顔を見ると、吾子、急にひもじそうにぐわぁーと泣き始めた。私には食料の請求をいっさいしなかったのに。はなからあてにされてなかったようだ。どうやら、私は食料を供給してくれない頼りにならぬやつ、奥さんは食料を供給してくれる偉大なお方、という棲み分けが子の心の中で体系化されているようだ。序列、といってもよいかもしれない。イヌの世界だと、妻がボスで私が子の下層に位置するのだろう。事実その通りだが。吠えつかれて尻尾を捲いて退散しているのは常に私だもんな。
 ミルクを飲むと行動に余裕が出る。甘えてすり寄ってきたり目が合うとほほえみ返す頻度が高い。全体にかわいさが増すのだ。

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2000/10/10(火) →題名目次
飢渇 生後368日(1歳と2日)

 体内時計は少し乱れたらしく、目覚めたのが6時半。子は、とっくに起きていたらしく徘徊していた。今日は私にとっては休日なのだ。決して体育の日を勘違いしているわけではない。
 奥さんは、私の看病疲れか育児疲れかはたまたたんなるぐうたらか、まだ寝ている(現在8時)。子を連れての散歩によかろうとは思うものの、子の食事がまだなので見合わせている。だが、空腹を訴えて泣く気配はない。空腹を訴えているのは私。そういや奥さんが寝る前に、「何時に起きる予定? 9時? じゃあ8時に炊飯器のスイッチが入るようにセットして置くからね」と言っていたっけ。空腹に堪えられず、設定を変えようとしたら、どうやればよいかわからない。私の中の IT 革命はほんの周辺でしか進行してない(ビデオの録画もできないしね。下手すると再生も)。
 どうやら音もなく炊飯器のスイッチが入ったようだ。子は、どうだろう、心なしか言動にささくれだったものを感じる。空腹度がましているのであろうと推測できる。しかし枕元にころがっていた、昨日の飲みかけのジュースを与えても、一口飲んで拒否した(何ジュースだろう)。まだ平気か。

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ストロートレーニング 生後367日(1歳と1日)

 トイレトレーニングはまだだろうが、離乳に向けて奥さんは大変そうだ。大変なのはそんなものだろうと思っていたら、ストローを使った吸水もトレーニングしなければならないようで、今日、初めてその場面に出くわした。
 協力、というわけで、子の前で、ちゅーちゅー液体を吸うふりをしてみる。・・・・お、真似した。と思われたのはほんの一瞬。手を換え、ビールをうまそうに飲んでみて、子にも真似するよう促す(もちろんジュースをだよ)。うまそうに飲んでみせる顔が面白いのか、ぐふふと笑うのだが、容器の形状が違うせいか、真似てくれない。では、子のジュースを飲むふりをしてみよう。同じく剽軽に飲んでみせるので、ぐふふと笑う。よしよし。仕込みはOK。それでジュースの容器を子に渡すと、父ちゃん、も一度その顔を見せてくれ、とばかりに私に陽気を差し戻す。こりゃだめだ。
 湯上がりの奥さんがパックをしていたのに気付かずにいて「うわ」と思わず私は声を挙げていた。先ほどから子が、キーと楽しそうに声を挙げて見ていたのはこれなのか。よ、よくこれが母ちゃんだと同定できるな。におい、かな....それじゃイヌだ。
 最近、喃語が長めになっている。それを再現したいのだが、うまくできないのが残念だ。こっちも同じようにぐぴぴぴぴと返して、なんとなく会話が続くのがおかしい。かつて、北海道で浜言葉のきついオバサン(旅館の女将)と話したときに、10分の1も内容がわからなかったが、それなりに会話が出来たのを思い出す。会話って、メッセージ内容よりもコミュニケートすること自体が大事なのだと思い知らされるのであった。・・・・奥さんとももうちょっと会話しよっ!

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まずまずの体調 生後367日(1歳と1日)

 私の風邪は、いかにも治りかけという具合。いままでにもこんな状態で無理をして風邪を悪化させたり長期化させたりしてきたので、注意しなければならないが。
 子は元気ですよ。さっきから、寝ころんでいる私の左にちょこんと座って、キーボードに手を延ばして邪魔をしようとしきりに画策している。どうも IT 革命が進行しているようで、さっきは携帯電話を耳に当てて電話のかけまねをしていた。
 ・・・・と、ここで、キーキー泣き始めた。子が手を延ばすのをいちいちデフェンスしていたのが気に入らないらしい。座ったまま足をバタバタさせ顔を真っ赤にしてキーと泣く。でも、執念深い反面、思い切りも良い。ディスプレイをばたんと閉じると、ぷい、と横を向いて泣き止んで去っていった。これがいつものこと。今は、戻ってきて、右側に座って雑誌をいじくっている。目が合うと、ぐぶー、とか言って笑っている。
 誕生日を迎える頃になってやっと、手をパチパチ拍手するようになった。吾子は立ち上がることこそ早かったが、育児雑誌に、「このころになると手をパチパチ合わせて拍手する」と書いてある時期に、それをやらなかったので、世間の親並に、ひそかに心配していたのだ。目の前で何度もやってみせたり、後ろに回って子に手を添えて叩かせてみたりしたが、全然やってくれず、相変わらず片手で人や物をぱんぱん打つのみだった。まあ、焦らなくてもいずれ、とは思っていたが。こうして成長を見て、父は目を細めるのだった。

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体内時計 生後367日(1歳と1日)

 体内時計は正常に時を刻み、今朝も5時前に目覚めた。
 昨夜は日記をパスしてしまったのだが、病人らしく寝てばかりいたせいだ。まず、午後3時くらいから7時くらいまで。そして9時から今朝まで。たっぷり養生したわけだ。

  朝まだき暗きに宿を出づるかな吾妹寝ぬらむ吾子も寝ぬらむ

 と思って指定の喫煙場所にいると、妻起床。そして昨夜と同じく吾子が戸口に姿を見せる。そういえば、1年前の今日も休日出勤。午前中の終業後、妻子のいる病院に直行したっけ。あんときは小さくて小さくてそりゃあもう軽くて。それがもうこんなになって、と重いながら、いや、思いながら「大きな栗の〜」を歌ってやる。私の体力が弱っているせいか、心なしか重さが格別、あ、おしめ重がくわわっていたせいか。

  すさまじや人のまだ寝る朝まだき妻子は静かにむまのはなむけ

 いつもの月曜日と違って、ひとけのない中を、子を抱いた妻に見送られて出勤する。一家の大黒柱であるという自負心を感じる。

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2000/10/8(日) →題名目次
暗闇でドッキリ 生後366日(1歳の誕生日)

 尿意を感じて目を覚ます。真っ暗だ。しぶしぶにトイレに行く。放尿中に、がら、と戸が開く音がしたのは気のせいだろう。台所の換気扇の下で喫煙しようと目を凝らすと、白い、小さな物体が戸に手を掛けて立っている。発しかけた声を飲み込んだ。子が佇立していた。私を見て、くぷ、と笑った(ようだ)。おはよう。1歳の誕生日おめでとう。キーと笑った。
 時計を見ると5時。父子共に身体時計は正常に機能しているわけだ。今日は休みでしかも療養しなければならない。無理にでも寝よう。その前におしめを取り替えてやろうとしたら、妻が、「えっ? 今何時? 今日は何曜日? あっ、休みじゃないの」と激しく寝ぼけて起きあがったので、子を託して横になる。
 まあそれから、活発に動き回る子と寝直そうとする妻との格闘が繰り広げられたみたいだ。夢かうつつかわからないが。奥さんもたいへんだ。やんちゃな子と病気の夫をかかえて。
 病気だと気持ちも沈む。こんな時の気分に親和する本を昨日の帰りに買ってきてあった。
 花輪和一「刑務所の中」(青林工藝舎)。拳銃不法所持で3年の獄中生活を送った異能漫画家の記。殺人で服役している受刑者が「ああ・・・・子供抱きてえな」とつぶやく。泊まりで仕事をしている時の私の気持ちを何倍も濃厚にしたものなのだろう。
 もう1冊。大山史朗「山谷崖っぷち日記」(TBSブリタニカ)は半分ほど読んだところ。昨朝の朝日新聞に紹介があり、心引かれた。「侠気(おとこぎ)とは、自らに損になるのが明らかなことをしぶしぶやることだ」という定義には、うむ、と唸った。「愛」が「自ら損になることを喜んで、あるいは自発的にやること」であるとの大きな違いを知らされた。なるほどなるほど。
 気持ちが沈んだときは暗い曲を聴くのがよい、と教示してくれたのは、クラシックに造詣の深いU氏。彼も明日の休日出勤の対象だが、時間帯がずれているので会えないだろう。


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