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吾子の成長記(ako046.html)

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2002/2/20(木) →題名目次
えんじの自己主張 生後866日(2歳4カ月12日)

 午前1時に妻を起こして就寝。6時30分に目覚ましを掛けて、妻が起きて勉強しているかどうか確認して就寝。それも7時に子に起こされる。
 なんだか子は朝から不機嫌。夢見でも悪かったのだろうか。サンドイッチを食べさせるが、途中で手が止まる。
  「パパもらっていいかな?」
私も空腹なので、どうせ残すに違いない子の残りをもらおうと思ったら、
  「吾子のっ!」
と言って譲らない。どうせ食べないのだろうな、と思ったら、小さめにちぎって口元に寄せると、
  「ちいさーい!」
と言ってまあまあ食べてくれた。

 妻が出かけた。子と遊んでいると、TVから、「ゆきやこんこん」の音楽が流れてきた。すると、子が、曲に合わせておゆうぎを始めた。両手のひらを、おほしさまぴかり、の形でひらひらさせながら、くるくるその場で回り出す。最初は他の所作もしようとする形跡があったのだが、私に向かって、
  「もっかい、もっかい!」
と、計4回ほど歌わせて踊る時は、ひたすらくるくるくるくる回っていた。「げんこつやまのたぬきさん」に続く新レパートリー。「やんちゃるもんちゃ」が始まったのを見て、
  「あ、ししし」
と言って見入るまで続けていた。ちなみに、「やんちゃるもんちゃ」は、主人公が悪戯を思いついて、「シシシシ」と笑っていたずらっ子の顔に変身するという設定で、「もー、うちの子がマネしたらどうしましょ」というような内容ばかりの番組である。

 そろそろ保育園に行こう、と思ったら、
  「わんわん、わんわん」
と言って、Blue' Cluesのビデオ要求。先頭の予告編というかCM部分に、Rugratsというアニメの予告があるのだが、それに恐竜というかゴジラというか、巨大トカゲ型二足直立歩行生物が出てくるのだが、子は、それを、
  「あに!」
あるいは
  「おに!」
と言う。ワニの一種として認識しているのだ。どういう相同性を見いだしているのだろうか。
 ところで、ビデオを点けるや、子は保育園に行くのを嫌がる。上着は着ないし、寝そべって行く気を見せない。機嫌も悪くなる。周囲や絵本を指して、色の指摘をする。
  「あか!」
  「あお!」
  「くろ!」
とか叫ぶのだが、たまに「いいかげんに言っているなあ」と思うと、例えば、本の頭を指して、
  「ちいろ(黄色)」
というのだが、
  しろでしょ」
と訂正しておいてよく見ると本に挟んである栞の色を正しく当てていたりして侮れない。
 絵本の登場人物が来ている服を見て、
  「えんじ!」
というが、
  「ん? これはあかでしょ?」
というと、苛立ち気味に、
  「えんじ!」
と繰り返す。
  「ああ、オレンジって言っているんだね」
それでも、
  「えんじ!」
とついに泣きながら言う。
  「もしかして、臙脂色って言っているの?」
泣きながらも強くうなづく。追試として、同じ色を指さして、
  「これも臙脂かな?」
と訊ねると正しくうなずくので、どうやら間違いない。なんと複雑な色合いをごぞんじな事で。さえ言えないというのに。保育園で教わったのだろう。まさに、園児の自己主張であった。

  「葉っぱ取りに行こうか」
と言ってようやく外出することに同意させた。葉っぱを毟って持たせ、保育園近くで停めて、腰の高さの駐車場から飛び降りたり、影踏みをして10分ほど遊んだ。陽射しのもとにくっきりと出来た私の影に自分の影を重ねて、
  「パパいなーい!」
と言っている。私は、ちょいと首を傾けるだけで、子の影から自分の影を外せる。子は、それを追いかけるのだが、私は首を傾げるだけで良いので楽な遊びだ。
 園庭でも石段に座り込んで建物に入ろうとしない子にようやく業を煮やして連れて行く。いつもどおり素っ気なく私にバイバイしてくれたが、ふと見ると、鼻の穴の下に大きな鼻くそ。手で取ると、保母さんがポケットから、
  「ティッシュをどうぞ」
と出してくれたが、トイレットペーパーを適当な長さに切ったものであった。つましい。

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2002/2/19(水) →題名目次
身振り手振り 生後865日(2歳4カ月11日)

 夕方のお仕事だったので、迎えは妻。帰ると子は、新しい玩具で遊んでいた。
 お菓子の付録だが、バイキンマンの秘密基地になっている。一昨日、妻が買ってきた物で、同じシリーズの、メロンパンナちゃんの家はすでにお披露目してあった。
 玩具もそこそこに、私を見てまとわりついてくる。正面から向き合って両手を握ると、足を挙げて私の股からよじ登り、腹から肩へと登って、前後逆方向の肩車になったところで、両足首を持って逆さに吊し上げてそのままうつぶせに布団の上に倒す。時には、吊し上げたまま逆さ吊りブランコを数回してから、あおむけに布団の上に落とすこともある。
  「もっかい! もっかい!」
子は、これが大好きなのだが、老体にはこたえる。その簡易版は、抱っこの姿勢から、私が前屈みになる、子は両手を離して万歳のまま逆立ちになって、やはりうつぶせに布団の上に落とす。顔から落ちて鼻が痛かったりしないのだろうか。これも、結構、体力を消耗する。
 やっと飽きてくれて、スプーたちの玩具をいじり始めた。わざわざ隣室まで戻って、バイキンマンの新しいフィギュアを持ってきた。
 ずっと流しっぱなしにしてあった、Blue's Cluesのビデオが終わったので、巻き戻しに戻る。子も、スプー以外のメンバー、----アネム、ズズ、ジャコビ、カタラット----を連れてやってきた。スプーを拾って渡そうとすると、
  「ん!ん!」
と、拒否の姿勢。スプーだけは、ネジを巻いて水上で泳がせることができる仕様上、少し大きいのだが、それが仲間はずれの理由か。寝室に置いてある食卓椅子の上に置いておいた。
 しばらくして、
  「プー!」
と言ってスプーを探しているようだ。
  「そこの椅子の上を見てごらん。吾子がご飯食べるところ」
指さしてもすぐには見つけられなかったが、やっと手にした。
 が、子はまだ何か探している。
  「何がないの?」
と訊くと、両手の人差し指を両耳の上でぴんと立てる手振りをする。オニ?・・・・あ、そうか。バイキンマンの手振りだ。バイキンマンをご存じない方のために少々補足すると、よくあるばい菌、あるいは、虫歯菌の格好をしていて、先端に球のついた角がついている。子は、その形を真似たのだった。
  「あ、バイキンマンだね。お前がそっちの部屋に持っていったじゃないか」
と言うと、正解だったようで、探して見つけて持ってきたのであった。

 風呂場から私を呼ぶ声。昨日今日と、妻が入浴させているのだ。昨日に比べてずいぶん早いな。妻によると、入浴剤で白濁させた浴槽の中で、白いガーゼを空気で膨らませて水中から浮かび上がらせる(私の小さい頃は、「海坊主」と言ったものだ)と、子が、
  「ホネ、ホネー!」
と言い出して恐怖を感じて早く出たがっているというのだった。

 寝る前は、クレヨンを箱を全部ひっくり返しては再び一本一本箱に戻すという作業を静かに行っていた。眠いのだろうなあ。しかし、寝かし付けは妻の専業。妻の用意が調わない限り、私も子も待つしかない。妻の準備が調って声を掛けられたのは、何回目かのクレヨン箱入れの途中。子は、静かにすべてを戻し終わり、箱のふたをきちんと閉めて(ここで手元が狂って中身をぶちまけたらヒスを起こすこと必定だからこっそり手を添えてやった)、私にちゅーしてきゅーして靴下を脱がさせて(最近、寝る前に私に靴下を脱がさせたり、脱いだ靴下を私に手渡しに来るのだ)、寝室に入っていって、すぐに眠りに就いた模様だが、寝てから2時間半ほど経った先ほど、風呂場の件りを書いている途中で、5分くらい長夜泣きをした。私は、午前1時前に妻を起こす役割を仰せつけられて、眠い目を擦って待機しているところ。子を再び寝付かせる妻の声は厳しいものだった。

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2002/2/19(火) →題名目次
アンパンマンの逆襲 生後865日(2歳4カ月11日)

 昨日と同じく、6時20分に妻を起こして、そのまま二度寝。

  ニドネ

  Nidone

  にどね

  二度寝

  にどね

  ニ ド ネ

なんて甘美な響きの言葉だろう!
二度寝するためなら早起きしてもいいくらいだ。まったりとした朝の時間を満喫する最上の方法!
 しかし、子は、6時40分に起き出してきたのだった。
 TVを点けることを要求する。TVを点けておいて二度寝を図るが、決してそっとしておいてはくれない。だらだらと二度寝、三度寝、四度寝を浅く繰り返す。これも悪くはないが、目的地までだらだら歩いては一休みを繰り返すようなもので、あまり疲れはとれないような気が。
 見かねたのか、今朝は妻が食事を食べさせた。妻が食べさせるとよく食べること。
 登園まで早すぎるので、うちで少々遊ぶ。子供布団用の小さなマットの上(妻の布団に潜り込んで寝ているのでほとんど用をなしていない)から、「ジャンプ!」と言って飛び降りる。そのマットの上のアンパンマンの冷却枕の上からもジャンプする。今度は逆に、下からジャンプしてそのアンパンマンの冷却枕の上に飛び乗ったら、ずるっと滑って仰向けにひっくりかえってしまった。アンパンマンの逆襲。
 おでかけしたそうだ。私もシャツを着る。すると、子が、私のシャツのボタンを外し始めた。器用だなあ、と思っていると、ボタンをすべて外して、シャツを脱がされてしまった。
 何とか外に出た。ところが、駐車場を素通りしてどんどん歩いて行く。両手を左右に広げて、小さな歩幅で、つま先の方から小刻みにつたつたというような音を立てて歩いて行く。通りに出る手前でUターンさせると、
  「抱っこー」
疲れるまで歩いていたんだな。明るい陽射しの中、子を抱いた私の影が建物の影と重なるたびに
  「吾子いなーい、パパいなーい」
と言っていた。
 保育園近くに車を停める。腰の高さから飛び降りたりしてなかなか保育園に向かわない。遠くに、保育園の方角にネコが見えた。
  「あ、にゃんにゃんいるよ」
すると、子は、
  「にゃんにゃん、待ってー」
と一目散に保育園の方へ駆け出す。しめしめ。
 保育園の園庭まではあっさり入った。そこで、かつてなかったことだが、園庭の中で遊びはじめて、建物に入ろうとしない。うーむ、困った。
 中から、上級生達が出てきた。すると、人見知り吾子は、彼らを避けるかのように、入り口に向かう。途中、彼らが、
  「あ、吾子ちゃんだ。おはよー!」
と声を掛けてくれるが、暗めにうつむいて会釈するだけ。昨日のおたよりに、「お遊戯の練習にノリノリで可愛かったです」というようなことが書かれてあった活発さとは思えない。
 例によって、私の顔も見ずにバイバイして私を追い返したのであった。

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2002/2/18(月) →題名目次
口の曲がる薬 生後864日(2歳4カ月10日)

 午後2時に遅い昼食を独りで食べる。汁物はインスタントの何かを作ればよかろうとパントリーを漁ると、
1) 永谷園の「あさげ」
2) 永谷園の「松茸のお吸い物」
3) コーンスープのもと
が見つかった。おかずが餃子なので、あえていえば 1) かな、と思ったが、1人前しか残っていない。「関東の一口残し」ではないが、妻に使う予定があるかもしれない。一番残量が多いのは、3) だが、コンソメならまだしも、コーンスープと餃子では。というわけで、松茸のお吸い物を作ることにした。
 食前に食卓を片づける。朝、子の残したヤクルトがひと口分残っている。これも「関東の一口残し」か。土曜日に病院に連れて行ったとき、
  「同じ抗生物質を続けて飲んでいるから替えましょう」
と言って、朝食時に飲むように言われた薬を、今朝、妻がその錠剤をくだいて少量のヤクルトにまぜて飲ませようとしたのだが、ひと口飲んであとはかたくなに飲もうとしない。発想の転換で、大量のヤクルトに薬の飲み残しを混ぜて飲ませると、ぐびぐびと飲んで、その一口分が残っていた。全部飲ませたいと思ったが、妻が、
  「薬は上の方に浮いていたから、全部飲ませなくても大丈夫」
と言ったので、そのまま午後2時までテーブルの上に残されていたものだ。
 残飯整理。そのヤクルトを手にとって何気なく口に含むと
  「グ★がぁ▽※ヴげ〜#!」
一度口に入れたものは呑みくだす主義の貧乏症な私も、この味には勝てず、流しに吐き出してしまった。子が少量のヤクルトに混ぜた薬をあれほどかたくなに拒んだのもさもありなん。大量のヤクルトに混ぜたときも、濃度が低いはずの底部の味さえあんな強烈さだったのだから、上澄み部分のマズさは相当なものだっただろう。それでも子がぐびぐび飲んだのは、最初のひと口のせいで口が曲がってしまい、味覚が麻痺してしまったせいで、相対的に不味さを感じなかったのだろうと思う。最初に少量のヤクルトに混ぜて口を曲げたのは、結果オーライだったわけだ。

 お迎えに私が到着したのは、ちょっと遅め。子が奥の部屋から引き出されるのに時間が掛かった。しょげているかと心配したが、
  「ママ....」
と言って不審げな顔をした以外は元気で、折から帰宅する同年やその母親に、向こうから声を掛けられたら、バイバイを返していた。
  「吾子、ぶーぶ」
と、父親が迎えに来たからには車で来ていると察して、車のある方向に歩を進める。途中、
  「ママいないねー」
とか、例の「とまれ」で跳ねていたが、
  「ふみーよー」
と体をすくめる。「さみーよー」ってことだが、
  「さむいよ!」
の時には、明らかに「さ」、「ふみーよー」の時には繰り返したときも「ふ」である。子の中には何らかの違いがあるようだ。

 妻が、水で消えるクレヨンを買ってきていた。そろそろクレヨン本来の使用法、「色塗り」を覚えさせたい。12色なので、子が、
  「わんわん書いてー」
  「ホネ書いてー」
と言うたびに(教育の成果あって「書いてー」と最初から言うことも珍しくなくなった)、11個のイヌやらホネを書いて、
  「このワンワン、青かなー」
と言って色を塗らせる(白を除くから11個)。すると、枠に沿って塗ることはないが、はみ出してでも塗りつぶしてくれるので、まあ進歩したかな、というところ。
 その後、手が汚れないようにクレヨンを包んでいる紙の「皮剥き」を独りでしていた。うまく剥けないと、私に差し出すが、
  「あー、これは剥かない方がいいから、パパはやりません。剥きたいなら自分でやりなさい」
と at own risk の精神を教え込んだ。静かにクレヨンの皮むきを継続したところを見ると、納得したのだろう。その儀式を中断して、クレヨンを上下逆さまに箱に入れて、私に箱を閉めさせて、それを見届けてから寝室に入っていったのだった。

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2002/2/18(月) →題名目次
ふりかけの謎 生後864日(2歳4カ月10日)

 妻を起こして再び眠りに就く。8時頃、子が起き出して来た。朝食はすでに用意されてあった。
 今朝は、卵かけご飯。順調に食べてくれる。「パン」コールもない。妻が、
  「アンパンマンふりかけは?」
と尋ねていたが、食べているからこのままで続けるむね、返事をしておいた。食べなくなったら掛ければいいや。台所の上の棚にふりかけをしまってあるのを知っているのだから。
 3分の1ほど食べたところでイヤイヤをするようになった。無理強いする必要もあるまい。妻は、薬を飲ませて、私が子と遊んでいる間に人知れず出かけていった。
 子がTVを見ているようだから、ちょいとご不浄へ。
 戻ってみると、子は、私が席を外す前と変わらず、よだれかけを付けたまま食卓台の椅子に座ったままだ。ただ違うのは、子が、封を切ったアンパンマンふりかけを手にしていることだった。
 いったいどこから持ってきたのだろう。まさか、台所の上の棚からのはずはない。私でさえ、背伸びをしないと届かない高さだ。
 妻が、台所の流しあたりにでも置いておいたのだろうか。しかし、子が、食卓台から降りた形跡はない。いったん降りたらまたよじ登るとは考えにくい。
 妻が、食卓台の脇のテーブルの上にでも置いたのだろうか。そんな気配はなかったし、同じく、食卓台から降りないと手にすることはできない。
 まあ不思議だが、封を開けてあるもので、
  「まだご飯食べる?」
と訊くと力強くうなづく。卵かけご飯の残りはまだあったので、茶碗ごと渡すと、子は、ざぁーっとふりかけをすべて掛けた。
  「自分で食べる?」
と訊くと、やはりうなづくので、スプーンを渡す。ふりかけの密度が一番高いところを選んで口に運んだ。案の定、吐き出した。
 もういやいや状態だが、責任を取らせる意味で、ひと口だけは無理矢理食べさせた。ふりかけのあまり掛かっていないところを選んで。
  「もったいないでしょ。これ食べないともうアンパンマンふりかけあげません。ひと口だけ食べればいいから」

 ちんたらだらだらしていたが、保育園に行く準備を始めたと知るや、前向きで、上着も着ずに玄関に向かおうとしたくらいだ。髪を結んでやり、服を着替えさせようとしたら、
  「ちっち出たー」
という。調べると、ほんのかすかにおむつが湿っている。出かけるのだから替えよう。替えておむつを穿かせたら、また、
  「ちっち出たー」
という。調べると、(以下繰り返し)。

 しかし、いつまで経っても、「とまれ」の「れ」だけは覚えない。「と」の脇に「と」と言いながらジャンプ、「ま」の脇に「ま」と言いながらジャンプ、「れ」の脇で、
  「ちぷちぷ・・・・」
と言うのだが、「わからない」「忘れた」「教えて」にあたる吾子語なのだろう。「一」も覚えたが、「十」に関しても「ちぷちぷ・・・・」である。

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2002/2/17(日) →題名目次
公園に長居 生後863日(2歳4カ月9日)

 8時ごろ子が起きてくる。あまり機嫌がよくない。私の枕元に正座して悲しげな顔をしている。
  「おなかすいたの?」
と訊いたら、力強くうなづいて、
  「パーーン、パーン!」
と言うので、急いでパンを用意したが、その半分とおにぎりひと口しか食べなかった。私の朝食は、パンの残り半分とチョコエッグ。
 寝床からの妻の呼びかけに対して、
  「まーに(なーに)?」
と応えるのが可愛い。今日は、曇り気味。非常に寒いというわけでもない。勉強疲れの妻を休ませる意味もあって、久しぶりに「せせらぎの里」公園へ。

 寝間着に上着を着せて出てきたので薄着だが、子は寒そうではない。1時間半ほどいたが、ひととおりのことをして帰った。
 棒っ切れを握って、藪をばんばん叩いていたが、足を滑らせて激しく泣き出した。藪の尖った木で顔でもひっかいたかと思ったら、転んだときに花壇の縁の煉瓦で、向こうずねと股をこすったらしい。ズボンをめくりあげて確認したが、こすれて少し赤くなっているだけだったので、唾をつけて擦ると泣き止んだ。
 フィールドアスレティックまがいのものがあるが、4階にあたる所は結構高い。そこまで子を乗せると、
  「こわーい」
と言って長居をしたがらなかった。ナントカと煙ではないようで、安心。
 実は、子は、一番に砂場に目を付けた。そういや砂場には長い間来ていないはずだ。しまった、砂遊び道具を持ってきてやればよかった。運良く、お椀が1つとスプーンが1本落ちていた。それだけで充分だった。滞在時間の半分はそれで遊んでいただろう。
 子犬(と爺さん)に出会った。
  「いい子いい子してごらん」
と言ったが、嫌がった。どうも、トラウマは定着してしまったようだ。

 最近、妻の指導で、「げんこつ山のたぬきさん」を踊る。最初の、「げんこつ山のたぬきさん」のところで、大げさに体を左右に動かすオーバーアクションが爆笑ものだ。それはいいのだが、公園に行く前も帰ってからも、気むずかしい。ちょっとしたことで泣き出すし機嫌を損ねる。妻が子を寝付かせて出かけた後、私も昼寝をしながらほっとしていた。
 妻が帰らないうちに子が目覚めて、たいへん機嫌が悪い。手を付けられないほどだ。妻が帰ってくると、嬉しそうに笑ったが、そういえば、子が起きてからそれまでの間に、笑い顔を見ていない気がする。
 我々が風呂から出て、妻が風呂に入っている間は、いい子であった。
  「パパ、はっち(たっち)」
と要求してきたが、一日振り回されて疲れていた私は、
  「チューしてくれたらたっちする」
と条件をつけた。2〜3度、「パパ、はっち」を繰り返して、条件をのまない限り本気で私が立ち上がらないと気付いたのだろう、いきなり激しく口を押しつけてきた。
 念のため、言っておくが、子は、私とチューするのが嫌なわけではない(まだ今のところ)。その気分の時と乗らない時があるようだ。今日だって、夕食後に、熱く、「んー、まっ!」と音を立てて、文字通り「口吸い」をしたら、
  「おっかい、おっかい(もう一回)」
と、5回も求められたんだから。
 子の夕食にサカナが出た。妻が食べさせながら、
  「サカナ、骨が出るから気をつけて」
と言うと、子がいきなり後ろを振り返った。何のことかわからなかったが、「骨が出る」で、ホネのフィギュアが押入から出てくる、と勘違いしたようだ。

 ま、正直言って、今日は疲れました。健康な子を、一日めんどう見ることは、本当にエネルギーの要ることです。
(最近、「ピンク」の発音が、「ピップ」から、「ピックン」に変わってきた。「クン」は、軟口蓋破裂音。)

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2002/2/16(土) →題名目次
痛みで覚える 生後862日(2歳4カ月8日)

 お迎えに行くと保育室には子を含めて3名+保母さんしかいない淋しげな状態。子は、私を見ても帰りげもない。線路と列車の玩具で他の子と遊んでいる。列車をつかんで私に見せてくれる。他の2人も、人なつこいのか物怖じしないのか、列車を見せに来たり話しかけてきたりする。保母さんも子に帰るように促さないので、しばらく一緒に遊ぶことになった。しかし、自分の子供がわけの分からないことを言っても気にならないが、他の子がわけの分からないことを言うと、何として良いか分からなくて困ってしまう。
 園庭に下りても帰りげもない。普段の自分の遊び場を紹介してくれるつもりか、あちこち連れ回してくれる。鉄棒にぶら下がったり、平均台に座り込んだり(立つのではなくて)。
 朝と同じように、高いところから跳び降りるのを好む。子の肩の高さから、私に手をとられてピョン。
  「おっかい、おっかい」
と言って、わざわざ階段のあるところまで回って行って駆け戻ってきた。手を添えなくても行けるのでは、と思ってそのまま跳ばせると、尻餅ついて後頭部を壁にぶつけたようだが、泣きはしなかった。
  「もっかいやってごらん」
恐怖心を早めに振り払ってやるべく促すと、またも階段のあるところまで回って行って駆け戻ってきたが、端に腰掛けてずるずると尻を滑らせて下りた。どうやら、跳び降りると危険だと学習したようだ。
  「パパが手を握ってあげるからもう一度やってごらん」
それから5〜6度、跳び降りを繰り返した。
 車の近くでも跳び降りを数回。車に乗せるときに、私が抱いて乗せようとすると、両手で頭を押さえる。病院に行くと運転席から抱いて乗り降りさせるのだが、どうしても頭をどこかにぶつけてしまうことがある。それで危険だと学習したようだ。
 うちに着いてもなかなかうちに上がろうとしない。ガードレールに抱きついて平行移動したり、ネコの鳴き声が聞こえたら
  「にゃんにゃん ここー」
と叫びまくったり、元気この上ない。そのくせ、階段を昇るときは、抱っこをせがまれた。疲れたのかな。

 昼間、子のために、「ピーターパン」と「シンデレラ」の絵本を買ってきた。絵本は和物に限る、と思っていた私が洋物に転向したのは、チョコエッグのおまけと連動させるため。2〜3のフィギュアとの同一性を確かめて、
  「いしょ、いしょ(一緒)」
  「おやじ、おやじ(同じ)」
と言ったあとでは関心をなくしたようだ。
 我々と入れ違いに妻が出かけている間、急に子が、台所の方を指さして、
  「アーパーマン!」
と言う。しかし、アンパンマンの何が欲しいか分からない。アンパンマンふりかけか?
  「アーパーマン!」
違うようだ。そうだ、アンパンマンせんべいがったっけ。
  「アーパーマン!」
これも違う。あ、あとはアンパンマン消毒液があった。
  「アーパーマン!」
万策尽きた。
  「何が欲しいかわかりません。はっきり言いなさい!」
無理には無理で対抗すると、
  「ア・ン・パ・ン・マ・ン!」
と一音節ごと区切って発生した。

 風呂に、間違えて、私の手製の「あっちゃん(赤ちゃん)パプリカ」を持ち込んだ。もとはチョコエッグのケースで、両端にレンコン穴が開いている。これをジョウゴとして遊ぶのに没頭していた。

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2002/2/16(土) →題名目次
一難去ってまた風邪? 生後862日(2歳4カ月8日)

 妻の目覚ましが大音響で鳴っている。起きないのかなあ。
 ・・・・はっ、周囲が明るい、妻を起こさねば。隣室を覗くと、妻はもういない。やっと記憶が蘇る。先ほど目覚ましが鳴ってだいぶ経って妻は自力で起き出して、暖房のスイッチを入れたのを目撃していたのを寝ぼけた私は忘れていたのだった。
 先日来、目やにのせいで目が開きにくい。それは両目に浸透し、寝起き直後は目が見えないほどだ。ものもらい?かなんかだろうか。生来、眼科には視力矯正とメガネ屋付属のそれしか行ったことがない私だが。
 子は、起きると同時に激しく咳き込む。そして機嫌が悪い。わがまま勝手。喉が痛そうだ。そのせいで、これなら食べる究極食事である「アンパンマンふりかけ」でさえほとんど食べない。ダノンもそんなに。あとパンの耳を囓って、それで朝食は終わり。
 保育園に行く気になるか心配だったが、私のおでかけ準備を見て、子は強烈に外出したくなったようだ。機嫌が悪いときには、言葉を省いて、
  「う、う」
  「あ、あ」
とか唸って、アバウトに自分の欲しい物の方向だけ指さすので何を求めているのかさっぱり分からない。こちらが分からないのでさらに苛立つ、という悪循環だが、外に出たい気持ちだけははっきり伝わった。
 まあ言うことは素直に聞かない。車に乗り込む前に「とまれ」の横で跳ねまくり、車に乗ると同時に、
  「はっぱー、はなー」
と向かいの葉と花を摘んでくるように命じたり。花は勘弁してもらったが。車が出ると、また騒ぎだし、さすがの私も、
  「車が走っている間はおとなしくしなさい!」
と怒鳴りつけてしまった。泣き出すがそのままで運転。ベビーシートのおかげで暴れることもできないもんね。途中、「洟をかめ」だの「涙を拭け」だのうるさいが、どうせ5分も車に乗っていないので無視しているとおとなしくなった。
 到着してこちらが柔和になったのを知るとわがままが多少頭をもたげたらしい。私の指示する方向とは別方向に向かいたがり、自分の肩くらいの高さから飛び降りてみた。無事、着陸。

 昨日とはうって変わって待合いの患者は少ない。でもだいぶ待たされた。子は、絵本などを取ると、一冊は私の分として渡してくれる。自分のに飽きたら、
  「くんかん」
つまり「交換」と申し出る。難しい言葉をご存じだ。
 診察は、やはり風邪とのこと。今後、私がいまだ罹っていないお多福風邪を子が拾ってくる危険と予防接種について、先生に相談。
 病院から出て車に向かう途中、私に大きく手を振る父母子連れがいる。近所にすむK氏であった。K氏も同じ病院に向かうところであった。
 保育園から希望されているぎりぎり遅めの受け入れ時間が迫っているので多少私は焦り気味。子はそんなことどこふく風。先ほどの体験で味をしめ、腰ぐらいの高さから飛び降り(今度は私が手をつないで補助することもなし)、
  「おっかい(もっかい)」
という要求を1度で抑えて、2階まで連れて行くと、例によって冷たく手を振って私を追い払ったのであった。

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